梅田・難波に次ぐ大阪第三のターミナル駅があり、駅周辺はあべのハルカス・近鉄百貨店を筆頭に商業施設が集積する繁華街。駅前には天王寺公園もあり、ドヤ街釜ヶ崎と近接していることもあって昔からホームレスの溜まり場として悪名高い場所だったが近年は公園もリニューアルされて“意識高い系”仕様の「てんしば」に。駅前は天王寺区と阿倍野区の区境で、この界隈を指して「阿倍野」と称する向きも強い。
歴史・街のうんちく
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街のツッコミどころ
あべのハルカス/2014年に建造された近畿日本鉄道ご自慢の超高層ビル。元々は大阪鉄道時代の阿部野橋ターミナルビルが前身である。横浜のランドマークタワーを越えた高さ300メートルの“日本一高いビル”の座は現在も揺らいでいない。展望台「ハルカス300」からは大阪市内が一望できることはもちろん、足元に広がる茶臼山町のラブホ街や「飛田新地」の様子も丸見えである。
あべのキューズタウン/2011年オープン。バブル期の計画で莫大な費用を掛けて続けられた阿倍野再開発事業の集大成的商業施設。関東勢の東急不動産が手掛けるショッピングモールになっているためヨーカドーに東急ハンズ、それに「SHIBUYA 109 ABENO」といったものが核テナントで東京臭いんですが、よく見りゃ足元には庶民的な居酒屋ばっかり並んでいる場違いな飲食街があって、やっぱりここは大阪なのだと実感させられる。元々再開発前にあった商店街に入っていた数軒の居酒屋がそのまんま営業しているのだ。
阪和商店街/JR天王寺駅からすぐ北側の一帯に残るアーケード商店街。古い菓子問屋の店舗も含めて戦後の闇市上がりのソレかよと突っ込みたくなるようなレトロな街並みが今も見られるが、近年は新興の居酒屋も増えだして「裏天王寺」などと呼ばれるようになっている。
あべちか/地下鉄谷町線天王寺駅ホームの真上にある地下街「アベノ橋地下センター」。梅田や難波のそれとは違ってこちらはマイナーな存在に甘んじている。天王寺公園に用事がある時に途中で通り抜けるくらいか。飲食店中心の構成だが、昔からこの場所は茶臼山町のラブホ街が近接している事もあり、春をひさぐオバサン達が昼間からたむろしている。あちこちに警告文が貼られているが、それでも居なくならない。韓国ソウルのそれと同じく、日本版“バッカスおばさん”的な存在である。
天王寺公園/明治時代の内国勧業博覧会の跡地に造成された都市公園。天王寺動物園が併設されているのもあって東京の上野と対比される場所だが昔からホームレスの溜まり場なのも一緒。2000年代までは園内の路上を占拠しての「青空カラオケ」が常態化し悪評を振りまいていた。公園はホームレス対策で有料化され閉鎖された陰鬱な空間だったが、2015年に「てんしば」がオープンして無料化され、ようやくまともな公園の姿になった。
公共交通機関でのアクセス
地下鉄御堂筋線・谷町線 天王寺駅/JR大阪環状線・大和路線・阪和線 天王寺駅/近鉄南大阪線 大阪阿部野橋駅/阪堺電気軌道 天王寺駅前停留場