戦前までは「西の心斎橋」と呼ばれるくらいに栄えていた九条新道商店街(ナインモール九条)を中心とした街。かつての松島遊郭の流れを汲む遊里「松島新地」があることで有名な男臭い街でもある。今なお、ネジ加工などの中小零細の工場が立ち並ぶ下町で、生活感が色濃く残されている。従来は地下鉄中央線九条駅のみだったが、2009年に阪神なんば線が開通し新駅が開設されている。
歴史・街のうんちく
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街のツッコミどころ
松島新地/明治初期に今の松島公園付近に設置された「松島遊郭」が前身。戦災で全焼したのち場所を移転して現在の九条一丁目、本田二丁目に開かれたものとなる。およそ90店舗もの「料亭」が飛田同様密集しており、毎夜の如く遊客が訪れる。ここから阪神で一本の尼崎市にあったかんなみ新地が最近になって壊滅した影響で、こちらに客が流れているとのこと。
九条OS劇場/松島新地と並ぶ九条の名所だった、昭和の時代に関西のお下品文化を全国に轟かせた伝説の劇場。ナインモール九条商店街の入口にご覧のような看板を長年掲げていたが、実際の場所は中央大通を挟んだ向かいのキララ九条商店街を外れた住宅街の中にあった。ファンに惜しまれつつも2012年12月で廃業。跡地は何も残っていない。
キララ九条商店街/地下鉄九条駅前から伸びる2つのアーケード街のうち北側にある方。ナインモール側は繁華街めいた雰囲気だが、こちらはいたって土着民の日常生活に即した店舗が中心で日夜を問わず賑わっている。特にアーケードの途中で枝分かれする「親栄会商店街」は昔の市場そのまんまな佇まいで風情がある。
安治川隧道/西区安治川。「安治川トンネル」とも。大昔は「源兵衛渡」という渡船が架かっていたが、戦時中の昭和19(1944)年に日本初の沈埋トンネルとして設置され、九条と西九条の間を結ぶ交通インフラとして現在まで地元民の通勤通学に活用されている。川の両サイドにあるエレベーターで地下14メートルの通路まで降りて、徒歩や自転車で渡る事ができる。
公共交通機関でのアクセス
地下鉄中央線 九条駅/阪神なんば線 九条駅